フェイ・ダナウェイ似の年上美女との会話。
「また車、買うの?」
とフェイ・ダナウェイが聞いてきたので、
「まぁね、ちょっと遊べる車をね」
と答えた。
すると、
「あたしの車、貸してあげようか?」
って言うから、
「何の車に乗ってたっけ?」
と聞くと、
「ミニバンよ」
と答えた。
「ミニバンはねぇ~、便利だけど、ちょっと遊べる車ではないなぁ~」
と言うと、
「遊ぶって、何をするのよ?」
って聞くから、
「そこそこパワーがある車で、スポーツ走行したいんだよ」
って答えると、
「何よ?スポーツ走行って」
と言うから、
「たまにね、サーキットとか走ってみたいんだよ。いや、別に本気で走るってわけじゃなく、ゆる~く流したいだけ」
と答えた。
すると、
「じゃあ、セカンドカーを貸してあげようか?」
と言うので、
「セカンドカーって、何に乗ってるの?」
と聞くと、
「ほら、あれよ、あれ。最近、不祥事を起こしたメーカーの、ちっさい車よ」
と言った。
最近、不祥事を起こしたメーカーは分かったけど、
具体的に何の車かは分からない。
「それって、軽やんね?」
と聞くと、
「そう、軽のやつ。あれ?名前忘れたわ」
と、フェイ・ダナウェイは答えた。
何の車かは分からないけど、軽自動車なのは分かった。
「軽はねぇ。あんまりパワーないからね~」
と言うと、
「ターボだから、けっこう走るわよ」
と言った。
軽のターボ車は、以前乗ってたので、そこそこ速いのは知っている。
でも、もうちょっと豪快に走りたい。
フェイ・ダナウェイは、車には無頓着だ。
車なんて、そこそこ走れば良いと思うタイプの人。
でも、ファッションには、けっこううるさい。
フォーマルな服装もあれば、カジュアルな服装もある。
パンツだったり、スカートだったり、
革靴だったり、スニーカーだったり、
エレガントな時もあれば、アクティブな時もある。
色使いもいろいろ。
シックなダーク系もあれば、派手なカラフルカラーもある。
しかし、
「今日の服、どう?」
なんて聞くことはない。
「この靴、素敵だと思わない?」
なんて聞くことはない。
いつも平凡でカジュアルな服装をしているわたくしに、そんなこと聞いても意味がない、と思っているのかもしれない。
いちおう、わたくしも、色使いには気を使っている。
あまり、ダークな色は好きではなく、どちらかというと、カラフルなものが好きだ。
でも、いくらカラフルといっても、花柄なんて着るわけないので、
ファッションにうるさい女性から見ると、ごく普通の服なのだろう。
このように、それほど話が合わない相手であっても、楽しく会話できる。
お互いの話を、ちゃんと理解しているかどうかは関係なく、
楽しく会話して、楽しくコーヒーが飲めたらそれでいいのだ。